被膜七宝とは、長林保子が生み出し命名したものです。
「オレンジの長林」とも言われる、情熱的で、かつ、どこか懐かしいような優しさもあるその色は、七宝人生で長林が追求し続けた色でした。
通常、七宝焼きの場合は、銅などの金属地金の上に釉薬を置き700~900度程度で焼き上げます。この時、銅地金の上に酸化被膜(一種のサビ)があると釉薬をはじき飛ばしてしまい、釉薬の付きや発色が悪くなるため、希硫酸できれいに洗い流す必要があります。
しかし、たまたま被膜の上に焼き上がった色に長林は深く惹かれるのです。それから長林の師匠である湯川芳子師に助言を受けながら、師とともに、被膜を張る温度と時間を計り、それはそれは熱心に実験を繰り返しました。
銅板も特殊なものを使用し、電気炉の温度も1200度にもなるといいます。
その銅板との出会いも、長林の被膜に対する情熱を熱心に聞いてくださったある方からのプレゼントだったそうです。
酸化被膜を故意に作り、被膜上の釉薬から作り出される色調と作品を一体にさせる。それこそが、長林が確立させた被膜七宝なのです。
被膜は生きもののように扱いが難しく、長林がこの手法に着想し、完成させるまでには10年の歳月が必要でした。
被膜七宝とは、長林保子が生み出し命名したものです。
「オレンジの長林」とも言われる、情熱的で、かつ、どこか懐かしいような優しさもあるその色は、七宝人生で長林が追求し続けた色でした。
通常、七宝焼きの場合は、銅などの金属地金の上に釉薬を置き700~900度程度で焼き上げます。この時、銅地金の上に酸化被膜(一種のサビ)があると釉薬をはじき飛ばしてしまい、釉薬の付きや発色が悪くなるため、希硫酸できれいに洗い流す必要があります。
しかし、たまたま被膜の上に焼き上がった色に長林は深く惹かれるのです。それから長林の師匠である湯川芳子師に助言を受けながら、師とともに、被膜を張る温度と時間を計り、それはそれは熱心に実験を繰り返しました。
銅板も特殊なものを使用し、電気炉の温度も1200度にもなるといいます。
その銅板との出会いも、長林の被膜に対する情熱を熱心に聞いてくださったある方からのプレゼントだったそうです。
酸化被膜を故意に作り、被膜上の釉薬から作り出される色調と作品を一体にさせる。それこそが、長林が確立させた被膜七宝なのです。
被膜は生きもののように扱いが難しく、長林がこの手法に着想し、完成させるまでには10年の歳月が必要でした。